
在宅診療
小児在宅医療について
在宅医療開始までの手順
<小児在宅医療について>
私達たくこどもクリニックでは、令和2年4月より、小児在宅医療として、訪問診療、往診などを行っております。
病院から退院する患者さんの中には、病気を持った状態で家に帰り、その後も病気とともに生活していく必要がある人たちがいます。その中には、定期的に病院に受診するのが大変だったり、調子が悪い時にすぐには病院にかかれなかったりする患者さんもいらっしゃいます。私達は実際に自宅を訪問して医療を行うことで、患者さん達とより近い距離で接し、よりよい医療を提供しようと考えています。
私達は、以下のような目標を持って在宅医療に取り組みます。
※ 緊急時に限り24時間対応いたします
1.子どもの最善の利益に基づく医療を提供する
私達は、NICUなどで重症な患者さん達の医療を行う時に、日本小児科学会から出ている「重篤な疾患を持つ子どもの医療をめぐる話し合いのガイドライン」1)を何度も読み返し、その理念に共感し、それを実現しようとしてきました。ガイドラインの基本精神には、「治療方針の決定は子どもの最善の利益に基づくものとする」とあり、この言葉は何度も私をはげましてくれました。私達は、すべての医療において「自分がこの子だったらどうして欲しいだろう」「何がこの子にとっての最善の利益だろう」と、時には立ち止まり、考えながら医療を進めます。
1)重篤な疾患を持つ子どもの 医療をめぐる話し合いのガイドライン
公益社団法人 日本小児科学会 倫理委員会小児終末期医療ガイドラインワーキンググループ 2012
2.子どもと、その家族や療育者を含めた、広い視点を持った医療を提供する
子どもにとって何が最善か、を考える時に、子どもを支える家族や療育者の負担を抜きには考えることは出来ません。現在の医療では、病気の子どもを支えるには家族の負担が過度に大きくなってしまうことがあります。子どもにとっての最善を考える時に、その家族が疲れ切ってしまっていて、とても幸せそうには見えない、という状況で良い医療を行うことは極めて困難です。子どもの最善の利益のためにある医療は、家族や療育者一人一人の笑顔を抜きにしては考えられません。私達は、患者さんとその家族や療育者を含めた、広いケアを行うという視点を持って医療に臨みます。
3.様々な関係機関などと積極的に連絡をとり、より幅広い医療を提供する
私達が提供する在宅医療は、患者さんの医療に、より多様な選択肢を与えることができます。そして、医療や患者さんに対する医療やサービスが多様になればなるほど、様々な役割の人達との連携を取ることが重要になります。周辺の医療機関、訪問看護師さん、行政サービス、同じ病気を持つ患者会(親の会など)が果たす役割がたくさんあれば、より幅広い医療を提供することができます。私達の限界は、私達の提供するケアの限界ではありません。私達は、自分たちにできないことがあれば、必要に応じて様々な役割の人達と連携をとり、幅広い医療を提供します。
患者さんのベッドサイドで日々行われる診療は、時には派手さのない、地味な仕事なのかもしれません。しかし注意深く様々な状況に目を配れば、そこには様々な驚きや発見があるものと思います。私達は、毎日のように大きな達成を得ることはできなくても、小さな達成を愛情を持って積み重ねることはできると信じています。私達がお世話できることがあるとお考えの方は、どうぞお気軽にご連絡ください。
<在宅医療開始までの手順>
訪問診療の流れ
◆医療機関の方々へ
在宅医療をご検討されている患者さんがいらっしゃいましたら、下記の電話番号にご連絡ください。可能であれば退院前1〜2か月からご相談いただけますと、各種話し合いがスムーズに行えると考えております。ご検討の程よろしくお願い申し上げます。
044-322-0380
※ 月~金 9時~17時までの間にお問い合わせください。
ご連絡いただいた後、私たちスタッフ、主治医先生、訪問看護ステーション、ご家族などとの合同退院前カンファレンスを行わせていただきたいと思います。カンファレンスで話し合う内容は在宅医療で行う医療の内容、基幹病院で行う医療の内容、訪問看護(ヘルパー・リハビリなども)の介入状況、物品を出す病院の決定、レスパイトの計画、病状悪化時の対応などが含まれます。事前にチェックシートをメールで送付させていただきます。
カンファレンスで退院までの流れ、退院後のフォローアップについても説明およびご相談させていただきます。
◆患者さん、ご家族の方へ
在宅医療を開始したい、内容について詳しく聞いてみたい、などのご要望があれば、下記の電話番号にご連絡ください。
044-322-0380
通常 月~金 9時~17時までの間にお問い合わせください。
※ 緊急時に限り24時間対応いたします
以後、電話および直接お会いして在宅医療について説明させていただきます。お会いする方法は、クリニックにいらしていただいても構いませんし、ご自宅にお伺いすることもできます。現在おかかりの医療機関、訪問看護ステーションなどとも適宜連絡を取らせていただきますので、現在の主治医の先生や訪問看護師さんともよく相談してみてください。
往診について
病状の変化時に患者さんやご家族の求めに応じて患者さんのご自宅を訪問させていただき、臨時で診療を行うことも可能です。ご連絡をお受けして往診が必要と判断した場合に往診に伺います。
往診のお問い合わせも上記電話番号にお願いいたします。
通常 月~金 9時~17時までの間にお問い合わせください。
※ 緊急時に限り24時間対応いたします
※一般外来の合間に往診させていただくため、ご連絡をいただいてから往診対応までに時間がかかることがあります。
※患者さんの病状に応じて、または医師の勤務体制により、往診を行わずに他の医療機関の受診または救急要請をしていただく場合があります。ご了承ください。
※当クリニックで訪問診療を行っていない方からの往診のご依頼は原則としてお受けできません。
対象の方・対象の地域
年齢:0歳から(20歳以上の方はご相談の上決めさせていただきます)
原則的に医療的ケア等のあるお子さんが対象です。
対象地域:川崎市麻生区、多摩区、宮前区
一部対象地域:町田市、稲城市、横浜市青葉区
その他の地域の方はご相談ください。
費用について
訪問診療・往診は各種健康保険の適用となります。
自治体による小児通院医療助成、重度障害者医療費助成制度、指定難病医療費助成制度、小児慢性特定疾患など医療費の公費負担を受けている方は、その適用を受けられます。
※予防接種・診断書などは自己負担とさせていただきます。ホームページ内の予防接種料金表などをご参照ください。その他の交通費などの費用はいただいておりません。